Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
てんさいけいまい
天才兄妹
野村 胡堂
Lisez 天才兄妹 (てんさいけいまい) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 891 caractères · 20 écrans
「オウ、これは何うだ、これだけ入って居れば、ヴァイオリンの音も悪くなるわけだ」
「ウーム」
「大変な事になったネ、このダイヤは何百万円の値打があるか知らないが、兎に角、我々では、見当もつかない大身代だぜ、これだけあれば、ストラドヴァリウスは百も買えるだろう、君はたった一と晩で夢のような大富豪になったんだ。お目出度う――」
香椎六郎はこう言って剽軽なお辞儀をしました。
「だけれど、ストラドヴァリウスはどうしたんだ、昨日まで確かに真物だったんだが――」
幾久雄はまだあきらめ切れません。
「馬鹿だなア、そんなものは諦めてしまいたまえ、ストラドヴァリウスなんか、百も買えると言ったじゃないか」
「だが、あれは何うするんだ今日の演奏は、あれ、あの通り」
客席からは、開幕を促す拍手が、一分毎に激しくなるばかり、
「仕様が無いなア、入場料を払い戻して、帰って貰えばいいじゃないか」
「そんな事は出来ない、そんな事は――」
幾久雄の心は、永久に失われた名器ストラドヴァリウスを追って、この何百万円にも積られる、見事な十箇の宝石も眼には入りませんでした。
「お兄様、お兄様」
信子だけが、この兄の心持を知って居るのでしょう。