Classiques japonais avec furigana
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「ダブックウ」ひょうりゅうき
「太平洋漏水孔」漂流記
小栗 虫太郎
Lisez 「太平洋漏水孔」漂流記 (「ダブックウ」ひょうりゅうき) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 264 caractères · 37 écrans
わけても、この皇后オウガスタ川はおそろしい川で、鰐や、泥にもぐっている“Ragh”という小鱶がいる。
ほとんど哺乳類のいないこのニューギニアは、ただ毒虫と爬虫だけの世界だ。やがて、独木舟を芋蔓でつないで、いよいよハチロウを負い“Niningo”の湿地へとむかった。
そのあいだの密林行。繁茂に覆われた陽の目をみない土は、ずぶずぶと沢地のようにもぐる。羊歯は樹木となり巨蘭は棘をだし、蔦や、毒々しい肥葉や小蛇ほどの巻鬚が、からみ合い密生を作っているのだ。その間に、人の頭ほどもある大昼顔が咲き鸚鵡や、巨人の蝶の目ざめるような鮮色。そしてどこかに、極楽鳥のほのぼのとした声がする。やがて、百足を追い毒蛇を避けながら、“Niningo”の大湿地へ出たのだった。
そこは、幅約半マイルほどの、おそろしい死の沼だ。水面は、みるも厭らしいくらい黄色をした、鉱物質の滓が瘡蓋のように覆い、じつは睡蓮はおろか一草だにもなく、おそらくこの泥では櫂も利くまいと思われる。そしてここが、奥パプアの最終点になっているのだ。
「坊やは、ウンチがでないかね」
「また、オジチャン、泥亀をとるんだろう。