Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
「ダブックウ」ひょうりゅうき
「太平洋漏水孔」漂流記
小栗 虫太郎
Lisez 「太平洋漏水孔」漂流記 (「ダブックウ」ひょうりゅうき) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 264 caractères · 37 écrans
それだのに、いま俺とナエーアはどうなってゆこうとしている※(感嘆符疑問符、1-8-78)
と急に、嫌悪の情がむらむらっと起ってきた。キューネにも、やはりどこかにある白人の優越感が……このたった一度でナエーアの顔を、見るも厭なようになってしまったのだ。彼は、幾度も詰まりながら、ナエーアに嘘をついた。
「ナエーア、やはりここも不可ない島なんだ。疫病がある。それで、ここの島には誰も住むものがないと云うんだ」
「あァあァせっかく見付けたのに、不可ないんでしょうか」
ナエーアはキューネの気持を知らず、がっかりして云った。そしてまた、独木舟の漂流がはじまったのだ。
キューネはそれ以来、見ちがえるような人間になった。ハチロウには、以前とかわらぬ親しさを見せるが、ナエーアにはほとんど物をいわない。そして、水また水の絶海の旅が続いた。
朝は、うすら青くすがすがしい海水が、昼には、ニスを流したような毒々しい藍色になる。そして夕には、水平線を焼く火焔の大噴射。そういう、まい日まい日繰りかえされる同じような風物に、だんだんキューネに募ってくるのはおそろしい虚無。すると、ちょうどその夜あたりから、それまで吹いていた南東貿易風が弱まってきた。