Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

「ダブックウ」ひょうりゅうき

「太平洋漏水孔」漂流記

小栗 虫太郎

Lisez 「太平洋漏水孔」漂流記 (「ダブックウ」ひょうりゅうき) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 264 caractères · 37 écrans

Aozora Bunko

じつは、ひとりそこへ入り込んで奇蹟的に生還したものがいる。そしてその人物と、僕のあいだには奇縁的な関係がある」

「なんと云うんだ! そして、どこの国のものだ」

「日本人だ。しかも、頑是ない五歳ばかりの男の子だ」

私は、ちょっと、暫くのあいだ物もいえなかった。読者諸君も、その五歳という文字を誤植ではないかと疑うだろう。しかし、五歳はあくまでも五歳。そこに、この「太平洋漏水孔」漂流記のもっとも奇異な点があるのだ。では、しばらく私は忠実な筆記者として、折竹の話を皆さんに伝えよう。

「黒人諸島」浦島

それが、第一次大戦勃発直後の大正三年の秋――。日本海軍が赤道以北の独領諸島を掃蕩しつくしたけれど、まだドイツ東洋艦隊が南太平洋にいるという頃。はやくも、新占領区域を中心に商戦の火蓋をきった、向うみずな一商会があった。それが、折竹の義兄が経営する海南社。のちの恒信社、南洋貿易などの先駆となったものだ。

独艦が出没する南太平洋を縫い、ともかく小帆船ながら新領諸島と、濠洲間の聯絡を絶やさなかったのは偉い。その、水凪丸の二回目の航海、ブリック型、補助機関附きの五百噸ばかりの帆船。