Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たいへいようまじょう

太平洋魔城

海野 十三

Lisez 太平洋魔城 (たいへいようまじょう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 93 147 caractères · 187 écrans

Aozora Bunko

艇員の隊長は、腕節のつよそうなリキーに遠慮がちに、それでもいうだけのことをいった。

「おれはさっきから、頭がいたくてたまらないんだ。貴様がこの小僧をぴいぴい泣かせるものだから、頭痛がいよいよはげしくなってきたじゃないか。なあに、こいつを片づけるくらい、訳のないことだ。窓から外へおっぽりだせば、それですむじゃないか」

リキーは、たいへんなことを、平気でいった。そしてそれをすぐにもやりそうであった。

乗合わせている婦人たちは、さっと顔色をまっ青にした。

「まあ、ちょっとお待ちください。いま艇長に話をいたしますから」

「艇長なんかに用はない。そこを放せ」

ケント老夫人が、リキーをとめるだろうと思っていたのに、どうしたわけか、老夫人は知らぬ顔をしてそっぽを向いている。

このさわぎを、太刀川時夫はさっきからじっと眺めていた。はじめは冗談のおどかしかとおもっていたが、リキーが本当に、中国少年を飛行艇からなげだしそうなので、これは困ったことになったと思った。

密航するのは悪いにきまっている。しかしその罰に、命をとるというのは、無茶な話だ。可哀そうに、少年は、リキーの腕の中で手足をばたばたさせながら泣き出した。