Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めおとぜんざい

夫婦善哉

織田 作之助

Lisez 夫婦善哉 (めおとぜんざい) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 643 caractères · 61 écrans

Aozora Bunko

蝶子の機嫌はすこぶる良かった。マスターこと「おっさん」の柳吉もボックスに引き出されて一緒に遊んだり、ひどく家庭的な雰囲気の店になった。酔うと柳吉は「おい、こら、らっきょ」などと記者の渾名を呼んだりし、そのあげく、二次会だと連中とつるんで今里新地へ車を飛ばした。蝶子も客の手前、粋をきかして笑っていたが、泊って来たりすれば、やはり折檻の手はゆるめなかった。近所では蝶子を鬼婆と蔭口たたいた。女給たちには面白い見もので、マスターが悪いと表面では女同志のひいきもあったが、しかし、肚の中ではどう思っているか分らなかった。

蝶子は「娘さんを引き取ろうや」とそろそろ柳吉に持ちかけた。柳吉は「もうちょっと待ちイな」と言い逃れめいた。「子供が可愛いことないのんか」ないはずはなかったが、娘の方で来たがらぬのだった。女学生の身でカフェ商売を恥じるのは無理もなかったが、理由はそんな簡単なものだけではなかった。父親を悪い女に奪られたと、死んだ母親は暇さえあれば、娘に言い聴かせていたのだ。蝶子が無理にとせがむので、一、二度「サロン蝶柳」へセーラー服の姿を現わしたが、にこりともしなかった。