Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lisez 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 531 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

矢留瀬苗子は、何の蟠まりもなく、そのチョコレートを頬張ったりして居りました。京極三太郎から見れば、横里鯨之進が女の子にやるチョコレートに、モヒか阿片か、少くとも媚薬位は入って居そうな気がしてならなかったのですが、この神聖なる恋人達は、そんな事を押してどうこう云うことの出来ないほど、弱気で臆病で、体面にこだわって居たのです。

横里鯨之進は実行家で鉄面皮で、躊躇を知らぬ男でした。翌る日はもう苗子を喫茶店に誘い、三日目には映画に、そして四日目には自分のアパートにつれ込んで行ったのでした。

何時でも如何なる場合でも、恋の勝利者は実行家で、押が強くて、臆面も無い人間であることは、多くの映画と通俗小説の筋が教えてくれて居ります。詩を作って神経衰弱になってモジモジしている恋人達は、斯くして永久に敗残者として終ることは、古今の哲学を引合に出す迄までもなく、極めて明瞭なことで、この場合に於ても、熱海で神聖な恋の一夜を過した、京極三太郎のプラトニック・ラヴは、横里某の出現によって、苗子の心から雲の如く霧の如く吹き飛ばされてしまったことは、誠に余儀ない事であったと申すの外はありません。