Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おんなごころのつよければ

女心の強ければ

豊島 与志雄

Lisez 女心の強ければ (おんなごころのつよければ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 011 caractères · 94 écrans

Aozora Bunko

門燈のまばらな薄暗い裏通りを、長谷川は首垂れがちに歩いてゆき、横へ折れ曲ろうとした。その時、後ろから久恵に呼び止められた。

久恵は彼の顔をすかし見て、低い声で言った。

「敏子がいましたので、黙っておりましたけれど……。」

しばらく後がとぎれた。

「一昨日、柿沼さんが見えまして、ほんの玄関先だけのことでしたが、千代乃さんが来たら、至急逢いたいことがあると伝えてくれと、それだけのお話でした。時間はとらせない、場所はどこでもよいと、たったそれだけでしたが……。」

久恵はまた長谷川の顔をすかし見た。

「千代乃さんは、ほんとにまたこちらへ出て来るんでしょうか。」

長谷川は腕を組んだ。

「柿沼さんの話は、それだけのことですか。」

「それきりですよ。なんだか、お急ぎのようで、立ったまま、すぐに帰っていかれました。」

「そうですか。なにか用が出来たんでしょう。千代乃さんが来たら、伝えておあげなさいよ。」

久恵はまだあとあとを待つように、じっとしていた。長谷川は突然言った。

「たったそれだけのこと、敏子さんの前で、どうしていけないんです。」

「いけないことはありませんが、あの子、なんでも饒舌ってしまいますんでねえ、千代乃さんにでも誰にでも……。