Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こうじんぶつ
好人物
佐々木 邦
Lisez 好人物 (こうじんぶつ) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 52 609 caractères · 107 écrans
何処まで好い気なものでしょう!」
と両夫人は散々欝憤を洩らした。
安子さんは家に着いてから、今日の訪問をあれこれと考え出して、可笑しくもあれば腹も立った。そこで三時頃姪の八千代さんが学校から戻ると早々、
「八千代さん、今日は大失策でしたよ。お米屋の娘さんの積りで上ったら、先さまは五百石の奥方さまでございましたの。夫れは/\豪い見識よ。町家と違いましてね……」
と口真似まじりに棚卸しをした。しかし八千代さんは、
「まあ、頭の古い人があるものね。オホヽヽヽ」
と笑った丈けで二階へ上ってしまった。女子大学生はそんな封建時代の女性をてんから問題としていない。長唄よりはもっと砕けた西洋音楽のお約束があるので、着替えもソコ/\に又出て行った。
斯ういう夕暮には一入良人の帰宅が待たれるものである。然るに人の好い千吉君は例によって他の鰹節役を勤めていると見えて、ナカ/\帰って来なかった。九時過ぎて玄関の格子戸が開いた時、出迎えた安子さんは、
「晩いのね」
と短い言葉の中に長い憾みを込めた。
「済まない/\。今日は臨時だからって橋口君に誘われてね、今までお稽古さ」
「今日は私達も伺いましたのよ」