Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ようば
妖婆
Lisez 妖婆 (ようば) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 473 caractères · 73 écrans
いや、格別何故って訣もないんだが、ふとそんな気がし出したんだ。」と、思いもよらない事を云い出しました。が、新蔵はやはり沈んだ調子で、「気だけだろう。」と云い捨てたまま、例の桃葉湯の看板さえ眺めもせずに歩いて行くのです。と、泰さんは蛇の目の傘で二人の行く方を指さしながら、「必ずしも気だけじゃないよ。見給え。あの車はお島婆さんの家の前へ、ちゃんと止っているじゃないか。」と得意らしく新蔵の顔を見返しました。見ると実際さっきの車は、雨を待っている葉柳が暗く条を垂らした下に、金紋のついた後をこちらへ向けて、車夫は蹴込みの前に腰をかけているらしく、悠々と楫棒を下ろしているのです。これを見た新蔵は、始めて浮かぬ顔色の底に、かすかな情熱を動かしながら、それでもまだ懶げな最初の調子を失わないで、「だがね、君、あの婆に占を見て貰いに来る相場師だって、鍵惣とかのほかにもいるだろうじゃないか。」と面倒臭そうに答えましたが、その内にもうお島婆さんの家と隣り合った、左官屋の所まで来かかったからでしょう。泰さんはその上自説も主張しないで、油断なくあたりに気をくばりながら、まるで新蔵の身をかばうように、夏羽織の肩を摺り合せて、ゆっくり、お島婆さんの家の前を通りすぎました。