Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ようじゅつ

妖術

泉 鏡花

Lisez 妖術 (ようじゅつ) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 293 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

「沢山、待たせてさ。」と馴々しく云うのが、遅くなった意味には取れず、逆に怨んで聞える。

言葉戦い合うまじ、と大手を拡げてむずと寄って、

「どこにしましょう。」

「どちらへでも、貴下のお宜しい処が可うござんす。」

「じゃ、行く処へいらっしゃい。」

「どうぞ。」

ともう、相合傘の支度らしい、片袖を胸に当てる、柄よりも姿が細りする。

丈がすらりと高島田で、並ぶと蛇目傘の下に対。

で、大金へ入った時は、舟崎は大胆に、自分が傘を持っていた。

けれども、後で気が着くと、真打の女太夫に、恭しくもさしかけた長柄の形で、舟崎の図は宜しくない。

通されたのが小座敷で、前刻言ったその四畳半。廊下を横へ通口がちょっと隠れて、気の着かぬ処に一室ある……

数寄に出来て、天井は低かった。畳の青さ。床柱にも名があろう……壁に掛けた籠に豌豆のふっくりと咲いた真白な花、蔓を短かく投込みに活けたのが、窓明りに明く灯を点したように見えて、桃の花より一層ほんのりと部屋も暖い。

用を聞いて、円髷に結った女中が、しとやかに扉を閉めて去ったあとで、舟崎は途中も汗ばんで来たのが、またこう籠ったので、火鉢を前に控えながら、羽織を脱いだ。