Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
つまのざ
妻の座
壺井 栄
Lisez 妻の座 (つまのざ) de 壺井 栄 (つぼいさかえ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 82 695 caractères · 165 écrans
「じゃあ、さよなら。これから大会へゆくのよ。それじゃ、都合がついたときいらっしゃい。私がきたこと野村さんにそういってね。」
嘘をついているようで、ミネは辛かった。しかし、自分がここへきたことを聞けば、野村は明日にも閑子を寄こすかもしれぬし、或は打明けて話し合うようなことにもなろうかと、ひそかな思いを残してミネは別れた。見送れぬことを残念がって、ミネが道角を曲るまで、閑子は垣根のそとに立っていて、ふり返る度に手をふった。こんなことも今日で終りなのだ。ミネは走るような早さで歩いた。そしてまっすぐに家へ帰るなり、驚いている娘の正子にいいつけた。
「おすしを作ってね、大福を百円も買っといでよ。」
「あら、お肉だといったじゃないの。」
「それ中止よ。伯母ちゃんがくるだろうから。」
「あっ、そうか。」
すしと甘いものが閑子の好物だった。しかし、閑子はその日はこなかった。次の日も待っていたが現れなかった。野村が伊豆へ出かけたのかもしれない。やきもきしても始まらぬと思いながら、ミネは落ちつけなかった。仕事も手につかぬまま、貞子の家へゆき、落ちつきを装って野村の手紙をみせた。