Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おんなけいず

婦系図

泉 鏡花

Lisez 婦系図 (おんなけいず) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 172 760 caractères · 343 écrans

Aozora Bunko

「お珍らしいこと。」

「…………。」

「蔦吉姉さんはお達者?」と小さな声。

主税はヒヤリとして、ついに無い、ものをも言わず、恐れた顔をして、ちょっと睨んで、そっと上って、開けた障子へ身体は入れたが、敷居際へ畏まる。

酒井先生、座敷の真中へぬいと突立ったままで――その時茶がかった庭を、雨戸で消して入り来る綱次に、

「どうだ、色男が糶出したように見えるか。」

とずッと胸を張って見せる。

「私には解りません、姉さんにお見せなさいまし、今に帰りますから、」

「そう目前が利かないから、お茶を挽くのよ。当節は女学生でも、今頃は内には居ない。ちっと日比谷へでも出かけるが可い。」

「憚様、お座敷は宵の口だけですよ。」

と姿見の前から座蒲団をするりと引いて、床の間の横へ直した。

「さあ、早瀬さん。」と、もう一枚。

主税は膝の傍へ置いたままなり。

友染の羽織を着たのが、店から火鉢を抱えて来て、膝と一所に、お大事のもののように据えると、先生は引跨ぐ体に胡坐の膝へ挟んで、口の辺を一ツ撫でて、

「敷きな、敷きな。」

と主税を見向いた。

「はい、」

とばかりで、その目玉に射られるようで堅くなってどこも見ず、面を背けると端なく、重箪笥の前なる姿見。