Classiques japonais avec furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lisez 婦系図 (おんなけいず) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 172 760 caractères · 343 écrans
「可恐い真暗ですね。」
品々を整えて、道の暗さに、提灯を借りて帰って来た、小使が、のそりと入ると、薄色の紋着を、水のように畳に流して、夫人はそこに伏沈んで、早瀬は窓をあけて、※(「木+靈」、第3水準1-86-29)子に腰をかけて、吻として腕をさすっていた。――猛虎肉酔初醒時。揩磨苛痒風助威。
廊下づたい
四十三
家の業でも、気の弱い婦であるから、外科室の方は身震いがすると云うので、是非なく行かぬ事になっているが、道子は、両親の注意――むしろ命令で、午後十時前後、寝際には必ず一度ずつ、入院患者の病室を、遍く見舞うのが勤めであった。
その時は当番の看護婦が、交代に二人ずつ附添うので、ただ(御気分はいかがですか、お大事になさいまし、)と、だけだけれども、心優しき生来の、自から言外の情が籠るため、病者は少なからぬ慰安を感じて、結句院長の廻診より、道子の端麗な、この姿を、待ち兼ねる者が多い。怪しからぬのは、鼻風邪ごときで入院して、貴女のお手ずからお薬を、と唸ると云うが、まさかであろう。
で――この事たるや、夫の医学士、名は理順と云う――院長は余り賛成はしないのだけれども、病人を慰めるという仕事は、いかなる貴婦人がなすっても仔細ない美徳であるし、両親もたって希望なり、不問に附して黙諾の体でいる。