Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こをうばう
子を奪う
豊島 与志雄
Lisez 子を奪う (こをうばう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 292 caractères · 80 écrans
瀬戸は他のことを尋ねた。
「お前は依子を引取ることを、大変急いでるというじゃないか。」
「ええ。変な風に話がこじれるといけませんから……。」
「然し案外だったろう、余りすらすらと運びすぎて。」
彼は返辞に迷って、何とも答えなかった。瀬戸もそれきり黙った。暫く行って坂を下りつくすと、瀬戸は俄に立ち止った。
「送ってくるのなら、もういいよ。それに、今晩は家でゆっくりした方がいいだろう。」
そう云いながら瀬戸は、中々歩き出そうとしなかった。彼も仕方なしに立っていた。やがて瀬戸はこう云った。
「やはりお前に云って置いた方がいいだろう。実はね、永井の奴変なことを云いだしたものだから、私は怒鳴りつけてやったのさ。奥様に児種がおありにならないとしますれば、敏子もどうせ生涯独身を続けると云っていますから、お側に仕えさしても……。」
「僕の妾に、というんですか。」
「まあそうだね。だから、今後永井も敏子も近づけてはいけないね。勿論敏子は何も知らないのだろう。早く云えば、永井の喰い物になってるんだね。」
彼は瀬戸の顔を眺めた。街灯の薄暗い光を受けてるその顔は、笑ってるように見えた。