Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こをうばう
子を奪う
豊島 与志雄
Lisez 子を奪う (こをうばう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 292 caractères · 80 écrans
また縁側に出て来た。しまいには其処へ腰掛けて、足をぶらぶらさしながら、しいて空嘯いてみた。
夕食間際に瀬戸の伯父がやって来た。
「一寸廻る所があって大変後れてしまった。……やあ来てるな。機嫌はどうだい?」
瀬戸はそんなことを一人で云いながら、依子を抱いてきて、彼の腕に渡した。彼は黙って受取った。依子は振り向いて敏子の方を見たが、それから彼の顔をじっと眺めた。いつのまにかべそをかいていた。妙に口を大きく引きつらして、今にも泣きだしそうになった。
「いけない、いけない。」と瀬戸は云った。「抱き様が悪いんだ。……まあゆっくり馴れるさ。」
依子は瀬戸の手で抱き取られた。彼の腕にはただ、柔かくてずっしりとした重みの感じだけが残った。
卑怯者! と彼は自ら自分に浴せかけた。夕食の膳に向うと、瀬戸の相手になって無理に杯の数を重ねた。
「あなた、そんなに召上ってもお宜しいですか。」と兼子が云った。
「いいさ、」と瀬戸が引取って答えた、「芽出度い日なんだからね。」
然し芽出度いという感じは、一坐の何処にも現われていなかった。それはただ妙にしんみりとした――それでいてごたごたした――晩餐だった。