Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こをうばう

子を奪う

豊島 与志雄

Lisez 子を奪う (こをうばう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 292 caractères · 80 écrans

Aozora Bunko

凡てを驚異しつつ凡てを取り入れてゆく、快活な晴れやかな四五歳の子供に、神経衰弱とは余りに滑稽な病気だった。而もその滑稽が、依子に於ては滑稽でない事実であるという所に、絶望的なものが潜んでいた。彼は敏子に来て貰おうかと思った。然しさすがに云い出しかねた。

その上、依子の病気は幸にもよくなっていった。熱が次第に薄らぎ、食慾もついてきた。幻を見ることもないらしかった。ただ元気は少しも回復しなかった。いつも室の隅っこにぼんやりしていた。兼子はそれを室の真中へ抱いてきた。彼はそれを負って庭を歩いた。然しいつのまにか、依子はまた片隅に縮こまっていた。何物にも逆らわなかった。何物にも冷淡だった。

「こんなでどうなるんでしょう。」と兼子は云った。

木きな不安が兼子の心を蔽いつつあるのを、彼ははっきり見て取った。然し彼自身もいつしかその中に巻き込まれていった。依子のことを彼女と話すのが苦しくなってきた。

彼はなるべく兼子の眼付がない隙を窺って、依子の側へ寄っていった。そして膝の上に抱いてやった。依子はじっと抱かれていた。然し彼が頬ずりをしたり頭を撫でたりすると、「いやよ、いやよ!」