Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こどものびょうき
子供の病気
Lisez 子供の病気 (こどものびょうき) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 633 caractères · 12 écrans
自分は新たに来た客とジョルジュ・サンドの話などをしていた。その時庭木の若葉の間に二つの車の幌が見えた。幌は垣の上にゆらめきながら、たちまち目の前を通り過ぎた。「一体十九世紀の前半の作家はバルザックにしろサンドにしろ、後半の作家よりは偉いですね」客は――自分ははっきり覚えている。客は熱心にこう云っていた。
午後にも客は絶えなかった。自分はやっと日の暮に病院へ出かける時間を得た。曇天はいつか雨になっていた。自分は着物を着換えながら、女中に足駄を出すようにと云った。そこへ大阪のN君が原稿を貰いに顔を出した。N君は泥まみれの長靴をはき、外套に雨の痕を光らせていた。自分は玄関に出迎えたまま、これこれの事情のあったために、何も書けなかったと云う断りを述べた。N君は自分に同情した。「じゃ今度はあきらめます」とも云った。自分は何だかN君の同情を強いたような心もちがした。同時に体の好い口実に瀕死の子供を使ったような気がした。
N君の帰ったか帰らないのに、伯母も病院から帰って来た。多加志は伯母の話によれば、その後も二度ばかり乳を吐いた。しかし幸い脳にだけは異状も来ずにいるらしかった。