Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

「済まないけれども手を貸してよ、重くってあたし独りじゃどうしようもないわ」

「よしきた」

河口はから弁当の包を放りだして、土間へはいり、増田の両脇へ手を入れて抱き起こした。

「誰だ、おれをどうしゃあがる」

「おれだよ、あにい、しっかりしてくんな、ほらよっと」

「放しゃあがれ」

「ほらよっと」

河口は増田を抱きあげ、靴足袋をはいたまま部屋へあがった。あらまあ土足じゃないか、と勝子が云い、河口はあにいを六帖の部屋へ引きずり込んで、自分もそこへぶっ倒れた。増田ほどではないけれども、本場物のウィスキーで彼も相当に酔っているらしい。仰向きにぶっ倒れるなり、酒が飲みてえ、と大きな声でどなった。

「おい、てえげえにしろ」と隣りから男の声が叫んだ、「こっちにもにんげんがいるんだ、野なかの一軒やじゃあねえぞ」

勝子は河口の肩をゆすって、初つぁん静かにしておくれよ、と耳もとで云った。

「えっ、なに」河口は頭をあげた、「初つぁんだって」

「隣りからどなられたのよ」と云って勝子は手を振った、「うちのしともこのとおり、正躰のないほど酔っぱらってるし、初つぁんまでがそんなじゃあ困っちまうじゃないか」