Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

「そういうことは事前に云ってくれなくては困るじゃないか」

「今日も資金の調達ができると思ったもんですから」

「やむを得ん」先生はちょっと首をひねり、顎髯をいじってから云った、「――じゃあきみ済まんが、たんば老人のところへいって来てくれ、寒藤清郷が米を拝借したいと云えばわかる、明日はぼくが調達にでかけるが、きみ、こういうことも人格構成の重要な経験だ、おろそかに思ってはいかんぞ」

八田青年はビスマルクのやつが出て来ないうちに立ちあがった。

先生にはべつに資金源があるらしく、翌日は自分で外出し、日が昏れてから泥酔して帰った。

「これは泥酔なんてもんじゃないぞ、きみ」と先生は云った、「泥酔なんていう俗なもんじゃない、これはそのあれだ、その、なんだ」

「裏から、裏から」と八田青年が声をころして云った。

「きみはなにをねぼけてるんだ」と先生はひょろひょろしながら塾生をにらんだ、「失敬じゃないか裏からとは、なんだ」

「いや、猫がですね」と八田青年は右手の甲で口をぬぐいながら云った、「猫のやつがいま勝手にいたもんですから、晩めしの支度をしますか」

「どうしてまた猫に晩めしを食わせるんだ」