Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

そして五十日ほど経った或る夜のこと、おたねは姪の躯の異常に気がついた。

ここの住民たちは殆んど銭湯へゆかない。例外はあるけれども、四季をとおしてたいがいは行水を使う。その日おたねは、仕事の賃銀を受取ったし、ずいぶん久しいことゆっくり入浴したことがないので、かつ子と二人で中通りの草津温泉という湯屋へいった。――そしてかつ子の裸姿を見てどきっとした。肉の薄い骨張った躯の、乳房がふくらみ、乳首とそのまわりが黒くなっていた。そして腹部もいくらかふくらみ、臍から下へかけての縦の筋も、はっきり黒みを増していた。

おたねはなにも云わずに、姪のようすを観察した。かつ子の日常には変ったところはなく、ただ食欲にむらが出て、ときどき一食ぬかしたり、一度に二食分も喰べたり、朝起きぬけに嘔吐したりするのが眼につきだした。

おたねは亭主に注意し始めた。夜半すぎに「鼠がうろうろしていた」などと、ねぼけたことが幾たびかあったのを、思いだしたからである。おたねが注意していることに気づいたのか、あれからは京太もへんなねぼけかたはしないし、かつ子に対しても妙なそぶりをするようなことはなかった。