Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans
おたねのことを指さす者もいたが、彼女はなにも見ず、なにも聞かなかった。
草田病院にも警官がいて、おたねの希望を聞き、医者と相談をしたのち、面会はできないと断わられた。
「いま輸血しているところで、当人は失神状態だから」と病院付きの警官は云った、「あんたの来たことは伝言してあげるよ、こっちはそういうわけだから先に署のほうへゆきなさい」
「傷はどんなぐあいなんですか、いのちにかかわるようなことはないんでしょうか」
「いまはなにも云えないね」とその警官は答えた、「被害者は出血多量だということと、失神するまえしきりに加害者の名を呼んでいたということぐらいだな、それ以外のことは係り官の責任になると困るからね、とにかく署へゆきたまえ、加害者の親という立場を忘れるんじゃないよ」
おたねが家へ帰ったのは、夜の八時をすぎたころであった。京太は独りで飲んでいたのだろう、まっ蒼な顔になって、焼酎の匂いが鼻をついた。
「どうだった、どんなぐあいだった、かつ子はどうした」坐ったまま上躰をぐらぐらさせながら京太は問いかけた、「酒屋の小僧をやったってえのは本当か、本当に出刃庖丁でやったのか」