Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

「米のめしというのもたいしたもんなんだぜ、ばんくん」と話は続く、「原子爆弾さえ出来なかったら戦争は日本が勝ってたんだ、わかるかね、きみ」

七代目は眼をゆっくりと細め、次にゆっくりとひらいた。それは写真機のレンズ・シャッターの開閉を、高速度撮影で映しているようなぐあいであった。

なぜ戦争に勝つか、とちょろは続けた。戦力の基礎は兵であり、兵に戦力を与える基礎は糧食である。日本人は幸運にも炊飯といって、米と水さえあればどこでもめしが炊けるが、外国人はパン食であるがゆえに、どこへゆくにもパン焼き竈や専門職人を同伴しなければならない。おかずも同様、日本人は梅干でもたくあんでも、また、必要なら塩か味噌でもめしが食える。ところがけとう兵はそうはいかない、シチューだとかコロッケだとかメンチボールだとか、オムレツだとかテキだとか、これまた専門コックがいなければならないし、それを料理するためにはシチュー鍋だとか、大小さまざまなフライパンだとか、ナイフやスプーンやホークや、なんだのかだのと荷物になってしまう。だから日本軍がちゃちゃっとはんごうすいさんをやって、胡麻塩かなんかでちゃちゃっと片づけて戦線へ出るじぶんに、やつらはようやくパン竈から焼けたパンを出し、片一方ではシチュー鍋をかきまわしているという始末さ、と春彦は云った。