Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans
考えて見ると、殺人犯人を父親に持った諸戸も因果であったが、恋人の敵が親しい友達の父親だと分り、しかも、その友達は私に親友以上の愛着と好意をよせている、この私の立場も実に異様なものであった。
「僕も一緒に連れて行って下さい。会社なんか首になったって、ちっとも構やしない。旅費は何とでもして都合しますから、連れて行って下さい」
私は咄嗟に思立って叫んだ。
「じゃ、君も僕の考えが間違っていないと思うのだね。だが、君は何の為に行こうというの」
諸戸は我身にかまけて、私の心持など推察する余裕は少しもなかった。
「あなたと同じ理由です。初代さんの敵を確める為です。それから、初代さんの身内を探出して系図帳を渡す為です」
「それで、若し初代さんの敵が僕の父親だと分ったら君はどうする積り?」
この問いに会って、私はハッと当惑した。だが、私は嘘を云うのは厭だ。思切って、本当の心持を打ちあけた。
「そうなれば、あなたともお別れです。そして……」
「古風な復讐がしたいとでも云うの?」
「ハッキリ考えている訳じゃないけれど、僕の今の心持では、そいつの肉を啖ってもあきたりないのです」
諸戸はそれを聞くと、黙り込んで、怖い目でじっと私を見つめていたが、ふっと表情がやわらぐと、突然ほがらかな調子になって云った。