Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans

Aozora Bunko

「聞かんな。諸戸屋敷の傴僂さんが、ここから汽船に乗りなしたら、じき分るさかいに、滅多に見逃しやしませんがのんし。そやけど、傴僂さんとこには、帆前船があるさかいにのんし。勝手にどこへでも舟を着けて、わしらの知らん内に、東京へ行ったかも知れんな。あんた方、諸戸屋敷の旦那を御存知かな」

「いや、そういう訳じゃないが、一寸岩屋島まで行って見たいと思うのでね。あすこまで舟を渡してくれる人はないだろうかね」

「サア、天気がええのでのんし、生憎皆漁に行ってるさかいになあ」

だが、私達が頻りに頼むものだから、方々尋ね廻って、結局一人の年とった漁師を傭ってくれた。それから賃銭の交渉をして、サアお乗りなさいと用意が出来るまでには、気の長い田舎のことで、小一時間もかかった。

舟はチョロと称する小さい釣舟で、二人乗るのがやっとであった。「こんな舟で大丈夫か」と念を押すと、老漁夫は「気遣いない」と云って笑った。

沿岸の景色は、どこの半島にもよく見る様な、切り立てた断崖の上部に、こんもりと森の端が縁どり、山と海とが直ちに接している感じであった。幸い海はよく凪いでいたけれど、断崖の裾は、一帯に白く泡立って見えた。