Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans

Aozora Bunko

ところが、二度目にそこへ行った時、それは最初秀ちゃんを垣間見た日の夕方であったが、私にとって、一層困ったことが起った。と云うのは、その時、秀ちゃんの方でも、一方ならず私を好いていることが分ったのだ。何と云う因果なことだ。

たそがれの霞の中に、土蔵の窓がバックリと黒い口を開いていた。私はその下に立って、辛抱強く娘の顔の覗くのを待っていた。待っても待っても、黒い窓にはいつまでたっても何の影もささぬので、もどかしさに、不良少年みたいに、私は口笛を吹いたものだ。すると、寝そべっていたのが、いきなり飛び起きた感じで、秀ちゃんのほの白い顔が、チラと覗き、アッと思う間に、何かに引ぱられでもした様に、引込んでしまった。一瞬間ではあったが、私は秀ちゃんの顔が、私に向ってニッコリ笑いかけたのを見逃がさなんだ。そして、「吉ちゃんの方がやいていて秀ちゃんを覗かせまいとするんだな」と想像すると、何とやらくすぐったい感じがした。

秀ちゃんの顔が引込んでしまっても、私はその場を立去る気にはなれず、未練らしくじっと同じ窓を見上げていたが、ややあって、窓から私を目がけて、白いものが飛出して来た。