Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans
「そうだそうだ。じゃ、今からすぐそれをやって見ようじゃありませんか」
「無論やって見る外はないが、何も慌てる事はないよ。何里という道を歩かなければならないのだから、充分休んでからにした方がいい」諸戸はそう云いながら、短くなった巻煙草を、威勢よく投げ捨てた。
赤い火が鼠花火の様に、クルクルと廻って二三間向うまで転って行ったかと思うと、ジュッといって消えてしまった。
「オヤ、あんな所に水溜があったかしら」
諸戸が不安らしく云った。それと同時に、私は妙な物音を聞きつけた。ゴボッゴボッという、瓶の口から水の出る時の様な、一種異様の音であった。
「変な音がしますね」
「何だろう」私達はじっと耳をすました。音は益々大きくなって来る。諸戸は急いで蝋燭を点し、それを高く掲げて、前の方をすかして見ていたが、やがて驚いて叫んだ。
「水だ、水だ、この洞穴は、どっかで海に通じているんだ。潮が満ちて来たんだ」
考えて見ると、さっき私達はひどい坂を下って来た。ひょっとすると、ここは水面よりも低くなっているのかも知れない。若し水面より、低いとすると、満潮の為め、海水が侵入すれば、外の海面と平均するまでは、ドシドシ水嵩が増すに相違ない。