Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans
私が相手を促す様に云っても、彼は表情も変えず黙り込んでいた。何かしら妙なものがあった。日頃の東洋豪傑風な、無造作な彼が、こんな深い感動を示すというのは、ひどく意外に思われた。
「僕の想像が誤りでなけりゃ、これは君が考えているよりは、つまり表面に現われた感じよりは、ずっと大袈裟な、恐ろしい事件かも知れないよ」
やっとしてから、深山木は考え考え、厳粛な調子で云った。
「人殺しよりもですか」
私はどうして彼がそんな事を口走ったのか、まるで判断もつかず、漫然と聞返した。
「人殺しの種類がだよ」深山木はやっぱり考え考え、彼の平常に似ず陰気に答えた。「手提げがなくなったからと云って、ただの泥棒の仕業でないことは、君も分っているだろう。かと云って、単なる痴情の殺人にしては、余り考え過ぎている。この事件の蔭には、非常にかしこい、熟練な、しかも、残忍刻薄な奴が隠れている。並々の手際ではないよ」
彼はそう云って、一寸言葉を切ったが、何故か、少し色のあせた唇が、興奮の為にワナワナと震えていた。私は彼のこんな表情を見るのは初めてだった。彼の恐怖が伝わって、私も妙にうしろを顧みられる様な気がし始めた。