Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans
私は気が進まなんだけれど、彼がどんどん行ってしまうものだから、仕方なく彼のあとに従って、近くの海岸に出た。海岸には目がチロチロする程も、けばけばしい色合の海水着が群っていた。
深山木は波打際へ駈けて行って、いきなり猿股一つになると、何か大声にわめいて、海の中へ飛込んで行った。私は小高い砂丘に腰をおろして、彼の強いてはしゃぎ廻る様子を、妙な気持で眺めていた。
私は見まいとしても、時計が見られて仕様がなかった。まさかそんな馬鹿なことがと思うものの、何となく例の脅迫状の「正午限り」という恐ろしい文句が気にかかるのだ。時間は容赦なく進んで行く、十一時半、十一時四十分と、正午に近づくにしたがって、ムズムズと不安な気持が湧上って来る。それに、その頃になって、私を一層不安にした事柄が起った。と云うのは、果然、私は果然という感じがした。彼の諸戸道雄が、海岸の群衆に混って、遥か彼方に、チラリとその姿を見せたのである。彼が丁度この瞬間、この海岸に現われたのは、単なる偶然であっただろうか。
深山木はと見ると、子供好きの彼は、いつの間にか海水着の子供らに取囲まれて、鬼ごっこか何かをして、キャッキャッとその辺を走り廻っていた。