Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いえ
家
島崎 藤村
Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 411 caractères · 285 écrans
「私もそう思う」と老松は三吉と正太とを見比べた。
「ホラ――ネ。皆なそう言う」と正太は笑って、「これは私の叔父さんですよ」
「是方が橋本さんの叔父さん?」老松は手を打って笑った。
「叔父さんは好かった」と小金と老松の間に居る年増も噴飯した。
「真実の叔父さんだよ」と正太は遮ってみたが、しかし余儀なく笑った。
「叔父さん! 叔父さん!」
老松や小金はわざとらしく言った。皆な三吉の方へ向いて、一つずつ御辞儀した。そして、クスクス笑った。三吉も笑わずにいられなかった。
「私の方が、これで叔父さんよりは老けてるとみえる」と正太が言った。
小金は肥った手を振って、「そんな嘘を吐かなくっても宜う御座んすよ。真実に、橋本さんは担ぐのがウマいよ」
「叔父さん、へえ、御酌」と老松は銚子を持ち添えて、戯れるように言った。
「私にも一つ頂かせて下さいな」と年増は寒そうにガタガタ震えた。
電燈は花のように皆なの顔に映った。長い夜の時は静かに移り過ぎた。硝子戸の外にある石垣の下の方では、音のしない川が流れて行くらしかった。老松は好い声で、浮々とさせるような小唄を歌った。正太の所望で、三人の妓は三味線の調子を合せて、古雅なメリヤス物を弾いた。