Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いえ
家
島崎 藤村
Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 411 caractères · 285 écrans
そんなことも御座いますまいけれど……でも、僅か一年ばかりの間に、皆さんが皆さん――どう考えましても私なぞには解りません」と言って、女教師は思いやるように、「あのまあ房子さんが、病院中へ響けるような声を御出しなすって、『母さん――母さん――』と呼んでいらッしゃいましたが、母さんの身に成ったらどんなで御座いましょう……そう申して、御噂をしておりますんですよ」
「一週間、ああして呼び続けに呼んでいました―最早あの声も弱って来ました」と三吉は答えた。
女教師が帰って行く頃は、植木屋の草屋根と暗い松の葉との間を通して、遠く黄に輝く空が映った。三吉は庭に出た。子供のことを案じながら、あちこちと歩いてみた。
夕飯の後、三吉は姪に向って、
「延、叔父さんはこの一週間ばかり碌に眠らないんだからネ……今夜は叔父さんを休ませておくれ。お前も、頭脳の具合が悪いようなら、早く御休み」
こう言って置いて、その晩は早く寝床に就いた。
何時電報が掛って来るか知れないという心配は、容易に三吉を眠らせなかった。身体に附いて離れないような病院特別な匂いが、プーンと彼の鼻の先へ香って来た。