Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いえ

家

島崎 藤村

Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 411 caractères · 285 écrans

Aozora Bunko

兄の頭は余程禿げて来た。弟の鬢には白いやつが眼につくほど光った。未だそれでも、森彦はどこか子供のように三吉を思っていた。弟の前に菓子なぞを出して勧めて、

「今日お前を呼んだのは他でも無いが……実はエムの一件でネ」

彼は切出した。

森彦が言うには、今度という今度は話の持って行きどころに困った。日頃金主と頼む同志の友は病んでいる。一時融通の道が絶えた、ここを切開いて行かないことには多年の望を遂げることも叶わぬ……人は誰しも窮する時がある、それを思って一肌脱いでくれ、親類に迷惑を掛けるというは元より素志に背くが、二百円ばかり欲しい、是非頼む、弟に話した。

三吉は困ったような顔をした。

「お前の収入が不定なことも、俺は知っている。しかしこの際どうにか成らんか。一時のことだ――人は大きく困らないで、小さく困るようなものだよ」と森彦は附添して言った。

しばらく三吉は考えていたが、やがて兄の勧める茶を飲んで、

「貴方のは人を助けて、自分で困ってる……今日までの遣方で行けば、こう成って来るのは自然の勢じゃ有りませんか。私はよくそう思うんですが、貴方にしろ、私にしろ、吾儕兄弟の一生……いろいろ人の知らない苦労をして……その骨折が何に成ったかというに、大抵身内のものの為に費されて了ったようなものです」