Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いえ

家

島崎 藤村

Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 411 caractères · 285 écrans

Aozora Bunko

「どうも貴方の調子は皮肉だ。あんまり種々な目に遭遇って、苦しんだものだから、自然と姉さんはそう成ったんでしょう。目下のものはヤリキれませんぜ」

「そんなに俺は皮肉に聞えるか」

「聞えるかッて――『オオ、あの嬉しそうな顔をして食べることは』――あんなことを言われちゃ、どんな嫁さんだって食べられやしません」

豊世やお仙は笑った。お種も苦笑して、

「三吉、そうまあ俺を責めずに、一つこの身体を見てくれよ。俺はこういうものに成ったよ――」

と言って、着物の襟をひろげて、苦み衰えた胸のあたりを弟に出して見せた。骨と皮ばかりと言っても可かった。萎びた乳房は両方にブラリと垂下っていた。三吉は、そこに姉の一生を見た。

「エライもんじゃないか」

とお種は自分で自分の身体を憐むように見て、復た急に押隠した。満洲の実から彼女へ宛てて来た手紙が文机の上にあった。彼女はそれを弟に見せようとして、起って行った。

「ア、ア、ア、ア――」

思わずお種は旧い家の内へ響けるような大欠伸をした。

幸作は表座敷に帳簿を調べていた。優雅な、鷹揚な、どことなく貴公子らしい大旦那のかわりに、進取の気象に富んだ若い事務家が店に坐った。