Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さむはし
寒橋
山本 周五郎
Lisez 寒橋 (さむはし) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 416 caractères · 36 écrans
――目黒から来たおとりという女中がいて、それに持たせて来るんだが、……おまえが今そうしているそこんところに跼んで、いつまでも私の釣るのを見ている、……おとりは眠いさかりだから迷惑なはなしだ、よくいねむりをしたっけ、……そうするとおっ母さんも笑いながら、しかたなしに帰ってゆくんだが、……その笑い声がまだ耳にのこっているようだ。
お孝にもそのようすが見えるようだった。病弱な母と温和で実直な父との、互いに劬りをこめた静かな愛情、初冬のやわらかい日ざしのような、透明な暖かい愛情、それがお孝にだんだんとわかってきた。
――お父つぁんがあとを貰わないのも、よそに好きな人をつくったり、浮気をしたりしないのも、亡くなったおっ母さんが忘れられないからだ、二人はそんなにも愛しあっていたんだ。
お孝はそう思った。世間では男は浮気で悪性と定説になっている、そういう事実も見たり聞いたりする。父のような人はおそらく稀だろう、とすれば男なんていやらしい、どんなことがあっても結婚なんかしない。……こんなふうに一つの信条さえもつようになった。躯のほうも発育がおそかったらしいが、父親のほかには男などまっぴらという気持だった。