Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さむはし
寒橋
山本 周五郎
Lisez 寒橋 (さむはし) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 416 caractères · 36 écrans
ほんの一瞬のことだったが、お孝は足が竦みそうになった、しかしそれより早く良人がこっちへ振返った。……門のあく音で気がついたのだろう、こっちへ振返って、おちついた眼つきで、
――いいから家へあがれ。
というような合図をした。そのおちついた眼つき、少しも慌てたようすのないそぶりでお孝はほっとし、黙って家へはいったが、着替えをするときもまだ胸がどきどきしていた。
「お父つぁんに叱られたんだ、おまえは知らないつもりでいるほうがいい」
あとから来て時三はそう云った。
伊兵衛がとこばらいをしてから、おたみのようすがどことなく変ってきた。いつも浮かない顔をしていて、これまでついぞないことだが皿小鉢を破ったり、腹ぐあいが悪いといって四五日も黙って寝ていたり、また夜中にお勝手で嘔こうとして、いやな声をだしていたりした。
そうしておたみは十月の末になって、躯の調子が悪いからと、急にひまを貰いたいと云いだし、ひきとめる手を振切るようなぐあいに実家へ帰っていった。
「どうしたんでしょ、七年もいて家の者も同様にくらして来たのに、なにが気に障ってあんなふうに出ていったのかしら」