Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

てらだせんせいとぎんざ

寺田先生と銀座

中谷 宇吉郎

Lisez 寺田先生と銀座 (てらだせんせいとぎんざ) de 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.

N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 1 015 caractères · 2 écrans

Aozora Bunko

だいたい五十銭という値段は、大学前の洋食屋で、毎日食べるランチの、二日分である。それで先生が「どうです、諸君、メロンを食べてみませんか」といわれた時には、思わずドキッとした。

持ち出されたメロンなるものは、厚さ一糎くらいの薄緑の薄片である。今から考えてみれば、ごく普通のマスクメロンを十六人前くらいに切ったものであった。しかしこの初めて見るメロンは、外側が浅い鮮かな緑色で、それが内側の橙色にとけ込んでいる様子が、如何にも美しく、また高貴に見えた。

初めてではあるが、大体見当はつくので、内側からスプーンで削って食べ始めた。まくわ瓜の味を少し淡くしたようなものであったが、これがメロンの味かと思って注意して食べた。三分の二くらい行って、まだ軟い部分が大分残っていたが、こういう高貴なものは、そう下品に食べては悪いと思って止した。他の若い連中も皆そうした。

ところが先生は、ずっと皮に近いところまで、削りとって食べられた。そしてひょっと私たちの皿を見て「君たちは、メロンは嫌いですか」ときかれた。一同はあわてて「いいえ」といって、また残りのところを食べた。

(昭和三十年二月一日)