Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

てらだとらひこのついそう

寺田寅彦の追想

中谷 宇吉郎

Lisez 寺田寅彦の追想 (てらだとらひこのついそう) de 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 683 caractères · 40 écrans

Aozora Bunko

そして紅茶を飲んで『寅彦夏話』をしては帰られた。昼の弁当は、私たちは出前の洋食弁当なるもので済ませていたが、先生は大抵大学の「御殿」へ行くか、外へ出かけられた。そのうちに八月中頃になって、出前も「御殿」も休業になったので、皆で病院の職員食堂へ行くことにした。此処だけは年中無休であった。私たちは二十五銭の定食をとることに決まっていたが、いくらその頃といっても、あまり結構なものではなかった。先生は「松」とか「梅」とかいう上等な方を注文されたが、その都度「僕はどうも胃がまだ変なので」と言いながら、きまり悪そうににやりとされた。或る時私達の定食に、小鯛の煮付がついたことがあった。その時先生が一寸覗き込むようにして「なかなか御馳走だね」と、にこにこされた。そういう極めて小さいことが、妙に印象に残っている。

水素の燃焼の実験が大分面白くなり、あの光の弱い燃焼の伝播状態が、廻転フイルム上で写真に撮れるようになった。それはその年の秋の末頃であった。そこへ突然に『球皮事件』が起きた。この事件は、前に随筆に書いたのは、いわば表通りだけであって、その裏にはいろいろな問題があった。