Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こむらたんさい

小村淡彩

宮本 百合子

Lisez 小村淡彩 (こむらたんさい) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 488 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

酒や煮物が、特別小松屋と異うのではない。いしは、微妙なその秘密を知っていた。それは、二十四になる、たから亭の娘が小綺麗で、気まぐれだという評判があるからだ。

いしは、今度こそ本当に若い、可愛い、素直な娘を探そうと思い込んだ。そして、この頃は蒲団ばかり借りて行く僧たちを、また、うちで飲ましてやるのだ。彼女は方々に世話を頼んだ。

お柳が出てから、間のない夕方であった。いしが、例によって台所にいると、店に博労の重次が訪ねて来た。

「おかみさん、一寸手ははなせねえか、話のあった娘っ子が見つかったんだが」

いしは、紺絣の前掛で手を拭きながら出て来た。

「そうですか、そりゃあありがとう。何にしろ、おせき一人じゃ困るから、いくつです」

重次は、煙草を吸いつけながら答えた。

「注文よりゃ二つ三つくってるがね、二だとよ」

「――なかなか頃合というものはないもんだね。で、どこだい? 生れは」

「逗子だとよ、親許あ」

「やっぱり浜のもんだね……私が浜育ちでがらがらだから却って調子が合うかもしれない」

いしは、新しい女に対する好奇心や希望で活溌にハハハと笑った。

「こんな商売こそしてるが、家は堅いんだからね、お金だって確かなもんさ、人に云えないような貰いなんぞ鐚(びた)一文ない代り、定った給金はちゃんちゃん懐に入るんだからね……」