Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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そううんきょうよりだいせつざんへ

層雲峡より大雪山へ

大町 桂月

Lisez 層雲峡より大雪山へ (そううんきょうよりだいせつざんへ) de 大町 桂月 (おおまちけいげつ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 082 caractères · 20 écrans

Aozora Bunko

北は天塩北見界の峻峰群起して我れと高さを競わんとす。気澄まば、旭川も見ゆべく、北海道の東部に雄視せる阿寒岳も見ゆべく、西部に雄視せる羊蹄山も見ゆべく、日本海も見ゆべく、太平洋も見ゆべし。飲める口の水姓氏には酒を分ち、飲めぬ口の塩谷氏には氷砂糖を分ちて、一行二分す。旭川よりの四人は残り、層雲峡よりの五人は下れり。

残れる四人も北鎮岳に残らむとするに非ず。南に下りて、雲の平を行く。この雲の平のみを以てするも、数十万人を立たしめて、なお余あるべし。白雲岳を目ざして行く程に、濃霧襲い来りて、日も暮れむとす。濃霧やや解けたる方角に雪田あるを見たれば、下りてその雪田に就く。微雨至りければ、天幕を張る。火を熾にすれば、雨にも消えざるもの也。今夜も焚火に山上の寒さを忘れたるが、天幕に雨を避くることとて、焚火を掛布団とすることは出来ず。九人が四人に減じて、何となく寂し。殊に我らは天幕を有するも、温泉の連中は天幕を有せず。下りとはいえ、路もなき天下の至険なれば、下ることかえって上るよりも遅く、昨日にぎやかに野宿せしあたりにて、雨に濡れながら夜を明かすなるべしとて、心落付かず。