Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やまだちもんどう
山だち問答
山本 周五郎
Lisez 山だち問答 (やまだちもんどう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 163 caractères · 32 écrans
なつは眩しそうに眼を伏せながら頷ずいた、玄一郎は続けた。
「山だちに遭ってひと太刀も合せず、身ぐるみ脱いで命乞いをした臆病者、小心で、人にとりいることが巧みで、上役に袖の下を遣うことが上手で」
「おやめ下さいまし」なつが堪りかねたように叫んだ。
「……どうぞそんなことは、どうぞ、お願いでございます」
「だが世間ではみなそう云っている、そしておまえもそれは知っている筈だ、それなのにどうして此家へ住みこむ気になったのか、いやごまかさないで正直なことを聞きたい、なぜだ」
「わたくし、戸田さまを、お暇になりましてから」なつは喉に痞えるような声で、吃り吃り云った、「……他にこころあてもなし、お羽折をお借り申した縁で、もしや使って頂けたらと存じたものですから」
「私は正直なことが聞きたいのだ、小雪どの」玄一郎は冷やかに云った、「……どうして郡玄一郎の家へ来る気になったのか、なぜ侍女だなどと偽わらなければならなかったのか、それをはっきり聞かせて頂きたいのだ」
「…………」娘はふかく頭を垂れた。
「答えては貰えませんか」やや暫く待ってから玄一郎はそう促した。
「お答え申します」
娘はようやく心を決めたように、しずかにその眼をあげて云った、「……そのまえにひと言お伺い申します、郡さまはわたくしに就て世間にどんな噂があるかお聞きではございませ