Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やまのうえのきとくものはなし

山の上の木と雲の話

小川 未明

Lisez 山の上の木と雲の話 (やまのうえのきとくものはなし) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.

N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 2 629 caractères · 6 écrans

Aozora Bunko

髪は、長く、黄金色の波のようにまき上がっていました。その雲は、おそらく大空の年若い女王でありましたでしょう。ゆうゆうと空を漂って、この山を過ぎるのでした。

木は、魂まで、ぼんやりとして、ただ夢心地になって、空を見上げていました。

「なんという美しい雲だろう。あんな美しい姿のものが、この宇宙にはすんでいるのだろうか?」

と、木は思って、ながめていました。

すると、その雲は、ちょうど木の立っている山の上にさしかかりました。木は、見上げれば、見上げるほど美しいので、気も遠くなるばかりでした。このとき、ちょうど、鈴を振るような、やさしい声をして、雲は下を見て、

「ああ、まっすぐないい木だこと。風にも、雪にも折れないで、よく育ちましたね。ほんとうに強い、雄々しい若い木ですこと。どんなにこの山の上に一人で立っているのではさびしいでしょうね。しかし、忍耐をしなければなりません。わたしは、また、きっと、もう一度ここへやってきますよ。それまでは、達者でいてください。いろいろのおもしろい話や、珍しいこの世界じゅうでわたしの見てきた話をしてあげますよ。」と、木に向かって雲はいいました。