Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さんじょうこ
山上湖
豊島 与志雄
Lisez 山上湖 (さんじょうこ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 912 caractères · 22 écrans
私はまだまだ外を歩きたかった。旅館の狭苦しい室に戻りたくなかった。
湖水の岸の砂地を、行けるところまで行ってみよう。
月はもうだいぶ昇って、湖面の光りの反映は狭まり、沖の方は黝ずんで盛り上っている。
「この湖水には、伝説があるのね。」
「たいていの湖水には、伝説があるものだが、どういうの。」
話すのも、つまらなくなった。神様と、坊さんと、怪物、その三つの型に多くはきまっているのだ。
断雲が空を流れて、時々月光が隠される。
「それに、怪談もあるわ。」
「怪談……伝説と同じことじゃないかな。」
「いいえ、怪談というより、事実かも知れないわ。この湖水、たいへん深いでしょう。山の上にあるけれど、真中の底は、海面に近いぐらいよ。それで、水死人が、深く深く沈んでゆくと、水圧のために浮き上らなくなり、立ったまま、底のへんを、ふらりふらり歩いてるの。そんなのが、たくさん歩いてるのよ。」
ほんとにそんな風に、私は信じたかった。
しばらく間を置いて、平田は言った。
「それは、おかしい。水圧で浮き上れなくなることは、あるかも知れないが、人間の身体は、頭の方が重くて足の方が軽い筈だから、立っているとすれば、逆立ちになるわけだが……。