Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やまぶきちょうのさつじん
山吹町の殺人
平林 初之輔
Lisez 山吹町の殺人 (やまぶきちょうのさつじん) de 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 530 caractères · 37 écrans
大宅(おおや)――これから彼の本名で呼ぶことにしよう――大宅三四郎(さんしろう)は、その頃法科の三年生だった。女は朝吹光子(あさぶきみつこ)といって、その頃浅草雷門(あさくさかみなりもん)のカフェ大正軒の女給の一人だったのである。
大宅は十数人の女給の中で、どういうわけか光子を崇拝の対象としてえらんだ。彼女は別に他の女給に比してすぐれた点をもっていたわけではないが、笑うとき両頬に笑(え)くぼができることと、滑らかな関西訛(なま)りとがことによると大宅の気にいったのかも知れぬ。が実は大宅自身にだって、なぜ特に彼女が気に入ったかという理由はわからなかったのだし、そんなことはわからぬのが当然でもあったのだ。
はじめのうちは、大宅は、毎週土曜日に必ず、大正軒の一つのテーブル――それも大抵(たいてい)他の客が既に占領していない限り、入口から三番目の右側のテーブルときまっていた――に陣どって、好きでもないウイスキーをちびりちびりなめながら、時々光子の姿を見ることで満足していた。二人がはじめて口をきいたのは、それから約三カ月もたってからだった。それはほんのちょっとした挨拶に過ぎなかったのだが、大宅は有頂天になって、その日の日記のしまいに、今思い出すと冷汗(ひやあせ)の出るような甘ったるい詩を書いたことを今でもおぼえて