Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lisez 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) de 小島 烏水 (こじまうすい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 138 795 caractères · 274 écrans
そして直ぐ連想したことは、ポートランド市民の、フッド火山におけるよりも、または、タコマ市や、シャトル市の人々が、日本人によってタコマ富士と呼ばれているところの、レイニーア大火山を崇拝しているよりも、この東京が、かつて江戸と呼ばれたころには富士山が「自分たちの山」として崇められていたことであった。少くとも、今のように忘れられていなかったことだ。太田道灌の「富士の高根を軒端にぞ見る」という歌は、余りに言い古されているとしても、江戸から富士を切り捨てた絵本や、錦絵や、名所図会が、いまだかつて存在したであろうか。
私のいる室は、一石橋を眼下に瞰下しているが、江戸時代に、その一石橋の上に立って見廻すと、南から北へ架け渡す長さ二十八間の、欄干擬宝珠の日本橋、本丸の大手から、本町への出口を控えた門があって、東詰に高札を立ててあった常磐橋、河岸から大名屋敷へつづいて、火の見やぐらの高く建っていた呉服橋、そこから鍛冶橋、江戸橋と見わたして、はては細川侯邸の通りから、常磐橋の方へと渡る道三橋、も一つ先の銭瓶橋までも、一と目に綜合して見るところから、八つ見橋の名があったそうだが、その屈折した河岸景色を整調するように、遥か西に、目の覚めるような白玉の高御座をすえたのが、富士山であったことは、初代一立斎広重の『絵本江戸土産』