Classiques japonais avec furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lisez 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) de 小島 烏水 (こじまうすい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 138 795 caractères · 274 écrans
そうで、槍ヶ岳に登って下りて来たところであるが、ちょっとした露出でも、樹木のないところは、山が剥げてしまって、回復は容易に出来ないと言っていたが、上高地に来て、森林の下を逍遥したときには、これこそ真に日本アルプスであると言って、帽子を振って、躍り上っていたそうだ、その森林は今安くに在る。
日本山岳会の名誉会員、ウォルタア・ウェストン氏は、かつて欧洲アルプスと日本アルプスとを比較して、日本アルプスに欝葱たる森林の多いのを、その最も愛すべき特徴としていた、同氏が穂高岳に登ったとき、あの森林の梢と梢との間に、ハムモックを吊って、満身に月光を浴び、玉露に濡れた一夜の光景を、私に語ったこともあったが、その愛すべき森林は、今いかんの状態にあるであろうか。
その愛すべき森林が、商人に惜しげもなく、払い下げられた、それも、払い下げによって、土地の生産力を大に潤おすわけならば格別であるが、若干の価をも得られべきでないことは、樹木を見ると、大概わかってしまう、売る方のみでなく、現にそれを買った商人は、樹も小さいし、巣を喰ってもいるし、運搬は不便だし、一向引き合わぬと愚痴を飜しながら、ドシドシ斧を入れさせる、その伐木を何に使用するかと問えば、薪材にして、潰すより外、致し方ないと言っている。