Classiques japonais avec furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lisez 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) de 小島 烏水 (こじまうすい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 138 795 caractères · 274 écrans
灰のような、水銀白を柔らかに布いた薄葉を微風にうら反えしている、たまに白砂の中に塩釜菊が赤紫色に咲いているのが、鮮やかに眼に映る外は、青い空と、緑の木と、碧の水。
しかしてどこから見ても、神河内を統御する大帝は穂高岳で、海抜五千七百尺の神河内から聳ゆること更に五千尺に近く、梓の濶流も、支線の小峡流も、その間の幾十反の点々たる平地も、何もかも一切包まれた谷は、神つ代の穂高見の命の知ろし召す世界である。
蝶ヶ岳から短沢へ下りて来た自分は、先ずこの清い流れに嗽ぎもし、頭も洗い、顔も拭いた、気が遠くなるような悪臭の蕕草を掻き分けたことや、自分の肩から上を気圏のように繞ぐっていた蚋の幾十陣団やに窒息するかと苦しんだことも、夢の谷へ下りては、夢のように消えて、水音は清々しい。
川は浅く、底は髪の毛一筋も見え透く雪解水であるが、碧きわまって何でもこの色で消化してしまう、水底の石は槍ヶ岳の刃の飜れた石英斑岩、蝶ヶ岳から押し流された葉片状の雲母片麻岩、石そのものが、流水、波浪の細い線を有って、しかもレンズのように透明である、片麻岩系の最大露出、赤石山系にも見た