Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やぎひげへんしゅうちょう

山羊髯編輯長

夢野 久作

Lisez 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 441 caractères · 102 écrans

Aozora Bunko

人間、喰えるか喰えないか……最後の米櫃(こめびつ)を、取上げられるか、られないかのドタン場まで来ると、こうも真剣になるものかと、我ながら感涙に咽(むせ)ぶばかり……。

なんかと浅ましい感傷(センチ)に陥りながら吾輩は、その記事を持って、眼立たないように編輯室に這入った。モトの我輩なら昨日(きのう)の山羊髯の手紙を見ただけでイキナリ編輯室に乗込んでノサバリ返っている筈だが、今度は正式に社長から入社の許可を受けるまで、客分のつもりで応接室に腰を据えて、恭倹(きょうけん)己(おのれ)を持(じ)するつもりだ。これも吾輩のセンチかも知れないが……。

見ると山羊髯のおやじは仕事が閑散だと見えて、大阪の新聞の経済欄を読みながら、朝日を吸っては咳(せ)き入り、咳き入っては水ッ洟(ぱな)をすすり上げている。タヨリない事夥しい。

その背後から近付いて、吾輩が赤鉛筆の筋を引いた下駄屋殺しの記事を指して見せたら、山羊髯は例によって小さな眼をショボショボさせた。蚊の啼くような声を出した。

「ホホホ。又何か仕事を見付けなさったか」

ずいぶん人を喰った挨拶だとは思ったが、この場合、腹を立てる訳にも行かない。