Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Lisez 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 441 caractères · 102 écrans
「いい腕じゃないか。鋏が冴えてるぜ。下町で仕込んだのかい」
「ヘエ……」
と又言葉尻が薄暗くなる。愛嬌者だというのに、どうも、おかしな男だ。東京を怖がっているような言葉尻の濁し方だ。多分東京で色事か何かで縮尻(しくじ)って落ちぶれて来たんだろう。東京と聞くとゾッとするような思い出があるんだろう。
「どうしてコンナ処へ流れて来たんだい。それくれえの腕があれあ、東京だって一人前じゃないか。ええ?……」
「そんなでも御座んせん」
「ござんせん」がイヤに「ござんせん」摺(ず)れがして甘ったるい。寄席(よせ)芸人か、幇間(たいこもち)か、長唄鼓(つづみ)の望月(もちづき)一派か……といった塩梅(あんばい)だ。何にしてもコンナ片田舎で、洗練された江戸弁を相手に、洗練された鋏の音を聞いているともうタマラなく胸が一パイになる。眼を閉じていると東京に帰ったようななつかしい気がする。
「どうだい。東京が懐かしいだろう」
「……………」
今度は全然返事をしない。よっぽど気の弱い男と見える。
「ずいぶん掛かるだろうなあ。コレ位の造作(ぞうさく)で理髪屋(とこや)を一軒開くとなると……ええ?……」