Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さざんか
山茶花
佐左木 俊郎
Lisez 山茶花 (さざんか) de 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 001 caractères · 10 écrans
」
それを聞くと長作は寂しかった。父親の気持ちを汲むと、彼はむしろ、胸を噛まれる思いがした。
「爺つあんが大切にして育てだ山茶花だもの。今まで、どこから売れって言われでも、売んねえでだ山茶花だもの……」
「いいがら長作、取り換えでもらえ。俺は、本当になんにもいらねえ。こんなに大切にされで、俺、なんにもいらねえ。俺、金でも溜めでいで、その機械買ってやれんのだらえいげっとも……山茶花など! それより、汝等、なんでも楽出来れば。――俺、こんなに大切にされで……」
涙もろくなった平三爺の眼からは、また涙が流れた。長作は、もう何も言わなかった。が、眼頭が熱く潤んで来るのを覚えた。
彼等は、平三爺にしろ長作にしろ、もちろん、この山茶花を手放したくはなかった。併し、だからと言ってこれを拒絶して、手扱きを使い続ける気にもなれなかった。
「俺は、もう、これきりの人間だ。山茶花など! それより、汝等せえ、幸福で……」
平三爺は、もう一度こう言って、涙に濡れた顔を、とくと枕に押しあてた。
――昭和二年(一九二七年)『文章倶楽部』七月号――