Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さざんか
山茶花
佐左木 俊郎
Lisez 山茶花 (さざんか) de 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 001 caractères · 10 écrans
伜に戸主を譲って、一時、ほっとした気持ちになった爺は、また根をつめて働き出した。伜は、財産の少ないのを、自分が無くしたのを、面白くなく思っているのに相違ねえ。いくらでも、この穴を埋めてやらねばならないと思ったからであった。
併し、伜の長作は、決して親の意をないがしろにするようなことはなかった。世間への体裁からばかりでなく、実際に、六十の坂を越してから、なお、働き続けねばならない自分の親を、彼は心の底から気の毒に思って、出来るだけの慰撫を心掛けているのであったが、なぜか長作は、それを露骨に現すことは出来なかったし、そういう言葉を口にすることは、なおさら出来ない性分だった。ばかりでなく、爺があまり馬鹿馬鹿しい苦労などをする時には、むしろ、罵りに近い言葉で制めることがあった。
平三爺は、他所の年寄り達などに比べると、自分が、非常にいたわられているということを知っていながら、伜の心の底に、意地の悪いものがあるように感じた時や、罵りに近い言葉を受けた時には、やはり、非常に寂しい気持ちになった。爺が、山茶花を大切にし、それに自分の慰めを繋ぐようになったのは、それからのことであった。